「NISA(ニーサ)」と「iDeCo(イデコ)」、最近よく聞く言葉だとは思いますが、どういう制度なのかはご存知でしょうか?
昨今の投資ブームで、資産形成に興味を持ち始めた方も多いと思います。ですが今さら、「NISAって何?」「iDeCoと何が違うの?」「始めるならどっちの方がいいの?」そんなことを尋ねるのは恥ずかしい……。そうお考えの方も、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はそんな「NISA」と「iDeCo」がそれぞれどんな制度なのかについて、分かりやすく解説していきますので、是非今後の資産形成に役立ててくださいね。
NISAって何?
このNISAというのは、日本語に直すと「少額投資非課税制度」と言います。
言葉だけ見ると分かりにくいのですが、要するに税金のかからないお得な投資枠といったところでしょうか。
NISAの最大のメリットは、この「税金がかからない」という点です!
大前提として、本来は投資で得られた利益に対しては、税金がかかります。通常の課税口座で取引をすると、配当や利益に対して約20%の税金がかかってしまいます。
例えば10万円の利益があったとしても、税金で2万円が引かれてしまい、税引き後の利益は8万円となります。ですが、NISAの凄いところは、この利益に対して税金がかからないところなんです! つまり10万円の利益があれば、10万円も丸々受け取ることができるというわけです。
2023年12月までの旧NISAでは、この非課税保有期間に年数制限がありました。それが2024年1月から始まった新NISAでは、無期限で税金がかからないこととなり、投資家の間で大きな話題となりました。これが、NISAが人気になった理由ですね。
iDeCoって何?
iDeCoというのは、個人型確定拠出年金のことを言います。つまり自分が拠出した掛金を、自分で運用し、資産を形成する年金制度のことです。一般的な年金とは異なり、自分の運用次第で、年金額を増やすことも、逆に減らしてしまうこともあります。
iDeCoの最大のメリットは、何と言っても税制上の優遇を受けられる点です。この税制上の優遇は、全部で3点あります。
税制上のメリット
① 掛金が全額所得控除(小規模企業共済等掛金控除)となります
例えば仮に毎月の掛金が1万円の場合、所得税が10%、住民税が10%とすると年間2.4万円、税金が軽減されます。
② 運用益も非課税で再投資することができます
通常、金融商品を運用すると運用益に課税されますが、iDeCoなら非課税で再投資されます。
③ 受け取る時にも大きな控除があります
年金として受け取る場合は「公的年金等控除」、一時金の場合は「退職所得控除」の対象となります。ただし、会社からの退職金の金額だけで、退職所得控除の枠を満たしてしまう場合など、受け取り方法や金額によっては、税金がかかってしまうケースもあります。年金で受け取るか、一括で受け取るか、そして何歳から受け取るかについては慎重に検討が必要となります。
NISAとiDeCoの違いは?
対象者や掛金の上限額、購入・受け取り方法などについては、次のとおりです。

引用:厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/content/001147967.pdf
利益はどれくらい?
それでは最後に、皆さんが最も気になる運用益について試算してみたいと思います。
一例として今回は、次のような方を対象として試算していきます。
毎月の積立額:3万円
想定利回り :年3%
積立期間 :30年

引用:金融庁 https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/tsumitate-simulator/
上記で試算してみた場合、30年後の資産額は1,748万円となります。
もし同期間、同じ金額をタンス預金した場合ですと、3万円×12ヶ月×30年=1,080万円にしかなりません。つまり、タンス預金に比べてNISAやiDeCoを利用すると、1.6倍程度、資産が増額する可能性があるということです!
もちろん投資の一種ですから、必ずしも上記のような利益が出るとは限りませんが、資産運用は長期で行えば行うほど、元本割れのリスクは軽減されます。
最終的にはご自身で決断されることにはなりますが、資産形成する一つの選択肢として、NISAやiDeCoを検討されてみてはいかがでしょうか。
結局どちらに加入すればいいの?
ここまで記事を読んでもまだ、ご自身がどちらの制度を利用すればいいか分からない。
そうした方に向けて、最後に私個人の考えではありますが、オススメする制度について次のようにまとめましたので、よろしければ参考の一つとしていただければと思います。
NISAをオススメする方
・20歳未満、もしくは65歳以上の方(原則iDeCoには加入できません)
・節税効果を受けるほどの収入がなかったり、資金に余裕がなく途中で資産を取り崩す可能性がある方
iDeCoをオススメする方
・一定額以上の収入があり、途中で引き出す予定もなく、節税の恩恵を受けたいと考える方
NISAとiDeCoの併用をオススメする方
・資金に余裕があり、節税効果の恩恵は受けたいけれど、iDeCoの上限額だけでは物足りないという方
以上、ゆるりがご案内しました。



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