繰上げ・繰下げ受給をすると、天引きされる税金や社会保険料はどれぐらい変わるの?

ゆるり

ゆるり です。
制度とお金の専門家。
令和7年度社労士試験合格、
FP2級、年金アドバイザーの資格を所持。
市役所にて約10年間、社会保障制度の運営に従事しておりました。
これまでの経験を活かして、皆さんにお得な制度やお金の情報をお届けします!

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年金の「繰上げ受給」「繰下げ受給」という言葉を聞いたことはありますか?

年金額を下げる代わりに、年金受給開始年齢を65歳より前に繰り上げて受け取ことができる繰上げ受給。それとは逆に、66歳以降に受給開始年齢を繰り下げる代わりに、通常よりも高い年金額を受け取ることができるのが繰下げ受給です。

ですが結局、どちらがお得なのか分からないという方も多いはず。

今回の記事では、繰上げ受給や繰下げ受給をすることで、年金にかかる税金がどれくらい変わってくるのかについて、解説していきたいと思います。

過去記事「繰上げ受給3つのメリットとは?」

年金から天引きされるお金は?

年金から天引きされるのは、基本的には次の4種類の税金や保険料です。

  • 所得税
  • 個人住民税 及び 森林環境税額
  • 健康保険料(国民健康保険料or後期高齢者医療保険料)
  • 介護保険料

なお、皆さんの天引き額がいくらなのかについては、毎年6月に日本年金機構から送付される「年金振込通知書」で確認することができます。

引用:日本年金機構 https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/tuutisyo/gakukaitei/0601-02.html

税金・健康保険料はどれくらい変わるの?

今回は分かりやすくするために、次の3人の税金・健康保険料額を比較したいと思います。

Aさん 60歳から繰上げ受給

Bさん 65から受給

Cさん 75歳から繰下げ受給

なお3人はいずれも、「一人暮らしの75歳」「年金額は145,000円(本来どおり65歳から受給した場合)」とします。

※令和6年度の率で計算

特に注目していただきたいのは、年金の手取り割合です。

Aさんの場合93%、Bさんの場合88%、Cさんの場合は80%。当然のことではありますが、収入となる年金額が大きくなればなるほど、税率や保険料率は高くなります。

繰上げ受給の場合、年金額は下がりますが、天引きされる税金などは安くなります。一方、繰下げ受給の場合、年金額は上がりますが、天引きされる税金などは、ずっと高くなります。

皆さんも繰上げ受給、繰下げ受給を検討される場合には、単純な年金額ではなく、税金などを天引きした後の手取り額で考えてみてくださいね。

以上、ゆるりが案内しました。

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