ずっと我慢していたけれど、いいかげん配偶者と離婚したい! だけど今まで自分は専業主婦(夫)だったし、老後の年金額もきっと少ないはず。どうしよう・・・!
そんな不安をお抱えの皆さん。実は年金には「年金分割制度」というものがあり、一定の要件さえ満たせば、お互いの年金記録を分け合い、それぞれ自分の年金とすることができるんです!
当記事は離婚を推奨するものではありませんが、老後の年金額が気がかりで人生の決断を躊躇われている方の、あくまで1つの判断材料となればと思います。
離婚時の年金分割って?
離婚時の年金分割とは、離婚した場合に、二人の婚姻期間中の保険料納付額に対応する厚生年金を分割して、それぞれ自分の年金とすることができる制度です。具体的には、離婚時の年金分割が行われると、婚姻期間中について、厚生年金の支給額の計算の基となる報酬額(標準報酬)の記録が分割されることになり、年金額を二人で分割することができるようになります。
例えば夫が会社員、妻が専業主婦の場合ですと、厚生年金に加入していた夫に比べて、国民年金のみ加入の妻の方が、将来受け取る年金額は少なくなりますよね。こうした場合、婚姻期間中は妻の支えがあって、夫は会社で働けていたわけですから、夫の厚生年金加入期間の一部を妻と分け合うことができるんです。そうすることで、老後受け取る時の年金額について、夫は本来の受給額から減額されてしまう代わり、妻はその分増額される仕組み・・・というわけです。
とはいえ、円満な離婚であればともかく、場合によってはそうした話し合いが難しい場合もありますよね。
ここからは、そうした場合にも利用できる離婚時の年金分割について、2つの方法を紹介いたします!
合意分割制度って?
まずは夫婦で話し合う、もしくは裁判などで按分割合を決める方法についてです。
以下の条件に該当したときに、夫婦の一方または双方から請求することで、婚姻期間中の厚生年金記録を分割できます。
- 婚姻期間中に厚生年金記録があること
- 当事者の合意または裁判手続きにより按分割合を定めたこと(※合意がまとまらない場合は、当事者の一方の求めにより、裁判所が按分割合を定めることができます)
- 請求期限(離婚から2年以内)を経過していないこと
3号分割制度って?
続いては、夫婦での話し合いが難しかったり、按分割合が決められない時の分割方法についてです。なお、この3号分割については、当事者間の合意は必要ありません。
以下の条件に該当したときに、国民年金の第3号被保険者であった方(専業主婦など)からの請求により、平成20年4月1日以後の婚姻期間中の厚生年金記録を2分の1ずつ、当事者間で分割することができます。
- 婚姻期間中に平成20年4月1日以後の国民年金の第3号被保険者期間(専業主婦など、会社員である配偶者の年金上の扶養に入っている期間)があること
- 請求期限(離婚から2年以内)を経過していないこと
ただし、分割される方が障害厚生年金の受給権者で、この分割請求の対象となる期間を年金額の基礎としている場合は、「3号分割」請求は認められません。
離婚時の年金分割をされる場合は、年金事務所での手続きが必要です。原則、離婚から2年以内に行う必要がありますので、分割を希望される方は、忘れずに申し出るようにしてくださいね。
以上、ゆるりがご案内しました。



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