老後は年金だけで暮らせるの?必要な生活費をシミュレーションします!

ゆるり

ゆるり です。
制度とお金の専門家。
令和7年度社労士試験合格、
FP2級、年金アドバイザーの資格を所持。
市役所にて約10年間、社会保障制度の運営に従事しておりました。
これまでの経験を活かして、皆さんにお得な制度やお金の情報をお届けします!

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「定年退職後、本当に年金だけで暮らしていけるの?」
そんな不安を感じている方、多いのではないでしょうか。

年金だけで老後の生活費をまかなえるかどうかは、支出額・年金収入・生活スタイルによって大きく異なります。
この記事では、老後に必要な生活費をシミュレーションしつつ、年金収入だけで生活できるかどうかの目安を分かりやすく解説します。

年金だけで老後は暮らせるの?

結論から言うと、最低限の生活は可能でも、ゆとりある暮らしには年金だけでは厳しいケースが多いです。

ご自身の生活を見直して、以下のポイントを確認する必要があります。

  • 毎月の生活費はいくらかかるのか
  • 手取り額で、年金でいくらもらえるのか
  • 足りない場合にどう補うか

ここからは、具体例を交えながら見ていきましょう。

老後の生活費はいくら必要?

総務省の家計調査によると、65歳以上の無職世帯の平均的な支出額は次のとおりです。

老後の生活費の目安(月額)

  • 世帯構成              月の平均支出額(目安)
  • 夫婦2人世帯       約22万円〜28万円
  • 単身世帯              約13万円〜15万円

これは「最低限の生活」ではなく、平均的な生活をした場合の目安です。

さらに、住居が賃貸か持ち家か、車の有無、趣味・旅行・医療費などによって、支出は上下します。

年金収入はいくらもらえる?

年金は、受け取る人の年収や加入期間によって差がありますが、おおよその平均額は以下のとおりです。

2025年度 年金受給額(月額)

  • 国民年金のみ(自営業など)          約5.8万円〜6.9万円(単身)
  • 厚生年金+国民年金(会社員)       約14〜15万円(単身)
  • 夫婦2人で厚生年金あり       約22〜25万円

※ 実際の受給額は、年金定期便や「ねんきんネット」で確認できます。

ケース別では?

【ケース別】年金だけで生活できるかシミュレーションしてみましょう!

ケース1:夫婦2人、年金収入25万円、支出25万円

→ トントンです。老後の医療費や突発的な出費に備える余裕がないため、安心とは言えません。

ケース2:夫婦2人、年金25万円、支出30万円

→  毎月5万円の赤字、年60万円の不足となります。年間60万円の不足が25年続くと、1,500万円の備えが必要になります。

ケース3:単身、年金13万円、支出15万円

→  毎月2万円不足、年24万円の赤字となります。年間24万円の不足が25年続くと、600万円の備えが必要になります。

年金だけで足りない場合の解決法は?

年金収入で生活費が足りない場合、次のような方法で対処できます。

1. 支出を見直す

家賃・通信費・保険料など固定費を削減します。

2. 働く(シニア向けの仕事・副業)

週2〜3日でも働けば、年間数十万円の収入になります。また、65歳以上の方の場合、雇用保険から次のような給付金が支給されることもあります。

過去記事:「65歳以後も働きたい人必見! 半年ごとに貰える高年齢求職者給付金って?

3. 資産の取り崩し・運用(預貯金・iDeCo・つみたてNISAの活用)

資産を増やすため、リスクの少ない投資を行うことも1つの方法です。

過去記事

・「投資を始めたい! 銀行へ預金するのと何が違うのか分かりやすく解説します!

・「老後資金はこれで安心! 積立NISAで老後資金を貯めるには、毎月いくらの積立が必要?

4. 年金の繰下げ受給

最大75歳まで繰り下げると、受給額が最大84%増加します。ただしデメリットもありますので、繰上げ・繰下げ受給は事前に十分制度を知った上で、選択することをオススメします。

過去記事:「繰上げ・繰下げ受給をすると、天引きされる税金や社会保険料はどれぐらい変わるの?

年金だけで老後を暮らせるかどうかは、生活費の額と年金収入のバランスによります。最低限の生活なら可能でも、ゆとりを持った生活や、突発的な支出に対応するには、年金だけでは難しいのが現実です。

だからこそ大切なのは、「今から備えること」。
支出の見直し、副収入の確保、資産形成や制度の活用など、できる対策から少しずつ進めていきましょう。

以上、ゆるりがご案内しました。

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